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2022年2月の記事一覧

大書の会 本番

大書の会 本番

令和4年2月9日

 

 本日、筆職人の渡邊一明氏とお手伝いの方お二人をお招きし、6年生を対象に大書の会 本番を行いました。1m四方程の和紙に、とっておきの漢字一文字を大筆で書き込みます。どの子も初めての体験です。1週間かけて今までの、そしてこれからの生き方を思い描き、今の自分を表す漢字を選んできました。また、その文字を渡邊氏や担任、そして仲間たちに言葉にして説明しなければなりません。

 「自分の番になるまで、どきどきが止まりませんでした。発表し、書いているときは無心でした。書き終わったらほっとしました」緊張感をもって会に臨んだ、子どもの率直な感想であったと思います。

 以下、数人の文字と選定理由を紹介します。

〇 進 前を向いて力強く進んでいきたいから

〇 伸 まだ未熟。私には、伸びしろがあると思いたいから

〇 栄 栄小学校に感謝の気持ちでいっぱいだから

〇 肉 まだ貧弱。筋肉をつけていきたいから

〇 紅 女性らしい、かっこいい文字。かっけえ女になりたいから

〇 根 木の根のように、これから経験することをどんどん吸収したいから

〇 永 今の思いを永遠につないでいきたいから

〇 動 まず自分が率先して動ける人間になりたいから

 中には、緊張のあまり、笑 という文字を一画多く書いてしまう子がいました。「間違えた」という落胆の声に対し、「笑いすぎたと思えばいいんだよ」と励ましの言葉をかける仲間の姿。ほほえましいやりとりに、仲間を大切に過ごしてきたこの6年間の縮図を垣間見た思いがしました。

〇 仁 おもいやりという意味がある。中学に行ってもおもいやりをもって過ごしたい。

〇 心 耳だけでなく、心で聞ける人になりたい

 卒業式当日、会場背面に子どもたちの作品を掲示し、それを装飾とします。6年生保護者の皆さん、楽しみにしていてください。

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6の2お話タイム「学年の先生のいいところ」

6の2お話タイム「学年の先生のいいところ」

令和4年2月3日

 

 本日、表題の内容で、62組でお話タイムが行われました。今回のお話タイムでは、主に3点、工夫が見られました。

1点目は、オンライン配信の併用です。話し合い中、お休みの子も発言をし、その意見に関連させた発言や行動が見られました。一方向的な授業配信から始まり、双方向的な授業配信へと進展させることができてきました。今後は、さらに工夫をしていきたいと考えます。

 2点目は、司会を子どもに任せたところです。イノベーション(技術革新)の時代が到来しています。加速度的に変化し続ける社会では、過去の常識にとらわれず、創造力を働かせることが重要です。また、創造力に加え、周囲との合意形成を図り、みんなが幸せになる持続可能な社会を形成する必要があります。そのためには、コミュニケーション能力を高めることが重要です。司会の子たちは指名だけではなく、意見に対し補足説明を加えたり、出された意見をまとめたりしました。「みんな、学年の先生のことが好きで、いいと思った」素敵なまとめです。前回、5の2のお話タイムを紹介しましたが、ここでも共感的な態度がそだっていることを確認しました。

 3点目は、題材のよさです。「いいところ見つけ」これは、他の存在に対し、それを理解し、共感するといった過程を通し、共生認識へとつなげるための有効な話題と言えます。「わかりやすく教えてくれる」「料理が上手」「いつも元気」「スポーツができる」等の意見には、あこがれや共感、そして感謝の念が見え隠れしています。国際化の進展に伴い、コミュニケーション能力に加え、この共生認識も益々広げ深めていく必要があります。併せて、対極に位置する批判的能力の育成についても、考察していきたいと考えます。

 大書の会まで、あと6日。文字選定に際し、このお話タイムを参考にする子も出てきそうです。

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大書の会 説明会

大書の会 説明会

令和4年2月2日

 

 本日、筆職人の渡邊一明氏をお招きし、6年生を対象に大書についてのレクチャーを受けました。渡邊氏は、50年以上筆職人として活躍されてきた方です。10年ほど前から、市内小学校にて「一文字大書の会」の講師として6年生を対象に、大筆を使った書作品作りの指導をしてこられました。

 「6年間の思いを漢字一文字に表す」「勇気を出して、先生や仲間に囲まれて書く」「書き順は無視してよい」「形を思いに併せて崩していく」雲・生・一など、具体的な文字の表し方を通して、心構えを話されました。以前、元勤務校にて大書の会を経験したことがあります。このとき、一人の6年生児童が「導」という文字を、和紙いっぱいに書きました。この文字を選んだ理由を問うたところ、「私は小学校6年間、いろんな方に導かれてきました。今後は、私がみんなを導いていくんだという気持ちでこの文字を選びました」と答えました。この瞬間、身震いしました。凛とした空気を感じ、背筋が伸びる思いがしました。

渡邊氏の話通り、卒業期に今まで歩んできた足跡の整理と今後の決意を、勇気を出して言葉と書で表現します。時が経てば、子どもたちは自動的に中学生になります。しかし、この時期に特別な取り組みをすることで、一回りも二回りも大きな成長を遂げるはずです。

 2月9日が、大書の会本番です。この日までに、子どもたちは文字を選んできます。自分自身が歩んできた足跡となる一文字です。どのような文字を選んでくるのか、わくわくがとまりません。


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