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2022年2月の記事一覧

6の4お話タイム「いつから大人?」

6の4お話タイム「いつから大人?」

令和4年2月24日

 

 本日、6の4にて「いつから大人?」というテーマで、話し合いをしました。法的には、本年度までは20歳から、来年度から18歳からとなります。ただ、精神的、身体的な見方をすると、個人差があり捉え方もまちまちです。また、歴史的なとらえを確認すると、元服(12歳~18歳)を迎えると大人になる時代もありました。ちなみに元服は、奈良時代以前からあったそうです。

 担任は、まず、新聞記事をテレビ画面で提示し、「この記事覚えている?どんな記事だった?」と発問します。「ある作家が、14歳から大人と考えているという記事でした」と答える児童。すかさず、担任は「6の4のみんなから、いつから大人になるか聞いてみたいと思います」と主発問を提示します。「中1から。理由は、大人料金になる」「同じく中1から。勉強は、自分からやらないといけなくなる」「お酒が飲めるようになったら。父母が、お酒を飲んでいる。私も早く飲みたい」

 一部の子たちの反応が見られたものの、その他の子たちは考えがまとまらないようです。担任は、「近くの人と話してみて」と指示をします。どこかから、「中1の時って、成長する人、結構いるよね」等の声が聞こえてきます。その後、再び全体での意見交流に戻ります。「20歳。働き始める」「18歳。選挙権が与えられる」「18歳。自動車免許が取れる」「中3。受験がある」制度面をもとにした意見が出されます。「高1、就職先を考え始める」「16歳、高校か働くか自分で自分のことを決められる。精神面をもとにした意見が出始めます。

 ここで、担任が『自分で』という言葉を使っての意見を求めます。「私は、いつから大人って決められないと思います。自分で自立したと思った時から、大人になっていくと思う。みんな同じにはいかないと思う」「似ていて、自分の考えで決まる。自分で大人だと思えば大人」二人とも、キーワードを上手に活用して表現します。精神面での成長が、大人になることにつながることに気づいたようです。

 今回は、制度面、精神面、身体面といった複数の視点を包含するテーマ設定でした。その分、話し合いの進め方やまとめ方にも注意を払う必要が生じます。ただ、子どもたちは、ほとんど担任の力を借りず、自分たちで上手に話し合いを進行していました。さすが6年生です。

最後に担任は、「成人式で、大人になったかどうか聞いてみるね」と締めました。ピーターパン症候群という言葉があります。自立や責任を拒否し、いつまでも子どもでいたいと願う考えです。しかし、子どもたちの意見を振り返ると、近い将来到達するであろう年齢や学年を境に、大人になると考える子がほとんどです。皆、未来に向け、成長したいという気持ちが感じられます。成人式には、どの子も精神的な成長を果たし、担任との再会を喜び合うことでしょう。

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オンライン授業参観 配信しました

オンライン授業参観 配信しました

令和4年2月17日

 

 本日は、1~3校時にかけ、中学年⇒低学年⇒高学年の順に授業風景を、家庭のタブレットに向け配信をし、保護者に授業参観をしてもらいました。主だったものを紹介します。

〇3の3理科「鉄は磁石になるのかな」:1度磁石につけたくぎが磁力をもち、他のくぎを引き寄せる様子を個々に確認していました。

〇4の4国語「数え方を生み出そう」:絆の数を数えるとき、単位としてふさわしいものを考えました。個、本、束などのアイデアが出されました。

〇1の2昔あそび発表会:だるま落としの妙技を演じる子。盛んな拍手を浴びていました。

〇2の3生活科発表会「名前をつけてもらったとき」:両親が、名前を一生懸命考えてくれたことに、感謝をする姿を確認できました。「うそいつわりなく、まっすぐに育ってほしい」「人との結びつきを大切にしてほしい」「男らしくいろんなことに挑戦してほしい」

〇5の1「けがについて学ぼう」:映像クイズが印象的でした。

〇6の2「中学生に求められる力は」:自己管理、敬語、臨機応変、自分から動く、発想力。

自らハードルを上げ、獲得に向け向上しようとする姿を確認できました。








   授業参観としてのオンライン配信は、本年度2回目の試みとなります。お休みの子を対象にした配信と勝手が違い、機材の準備や授業収録等、学校を上げ苦労をしながらの準備・実施となりました。配信中、ご家庭からの問合せも多数ありました。中には、授業中に改善できなかったケースもあります。まだまだ、トラブル対応への知識・技能が不足していることを痛感しました。ただ、多くの保護者には、学校が抱える事情をご理解いただき、エールを送っていただきました。大変ありがたく、励みになりました。学校の透明性を担保するためにも、オンライン配信を止めるわけにはいきません。今後も、改善を図りながらよりよいオンライン配信に向け、精進していきます。

 

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2の1お話タイム「タイムマシーンがあったらどうしたいかな」

2の1お話タイム「タイムマシーンがあったらどうしたいかな」

令和4年2月16日

 

 本日、2の1で表題のテーマでお話タイムを実施しました。先回お示ししたように、お話タイムは、「話し合いの仕方のトレーニング」と「心温まる人との交流」の場として実施しています。

 話し合いに先立ち、担任から「今日のめあてを確認します。理由を言う。話をつなげるため、友達の名前を言う。うなずきながら聞く」と指示が出されます。子どもたちは、「未来に行きたいです。理由は、大人になっている自分の顔を見たいからです」「過去に行きたいです。理由は、恐竜が絶滅するところを見たいからです」と発表します。「〇〇さんにつけたしです。僕も恐竜が見たいです」すると、「〇〇さんに、質問です。どんな恐竜をみたいですか」「ティラノサウルスです」子どもたちの意見につながりが見られ始めました。「〇〇さん、質問が上手だね」担任がすかさずほめます。ほめるという行為は、評価活動の一つです。自分がしたことの価値に気づかせ、さらにやる気をもたせる。同時に、他の子たちにも行為についての価値を示し、広めていく。わずか15分の時間のなかで、子どもたちの表現力は鍛えられていきます。

 過去に比べて未来希望が少ないことを確認し、担任は「未来について質問します。どんな大人になりたいですか」と次の発問をします。「優しい大人」「楽しい大人」「なんでもできる大人。ホテルを作りたい」子どもたちは、夢を語り始めます。「そういう大人になるために、今からできることある?」子どもたちは、じっと考え「今から練習する」「あきらめず練習する」と答えます。

 話し合いのまとめは、担任がしました。羽生選手の写真を提示し、「オリンピックの本番で転んだけど、誰もできない技に挑戦したよね。記者会見で、9歳の自分がほめてくれていると言っていました。夢をもって、今からできることを練習しましょう」としめました。

 「話し合いのトレーニング」や「心温まる交流」以外に「キャリア教育の視点」も取り入れた実践でした。人は、過去を振り返り、その上で未来を見つめて生活をします。学習や運動、仲間づくりへの意欲は、この15分間でさらに膨らんだことと思います。

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5の3授業研究「フェイクニュースにご用心」

5の3授業研究「フェイクニュースにご用心」

令和4年2月14

 

 本日、5の3にて表題のテーマで、学級活動の授業を行いました。フェイクニュースは最近始まったものではありません。古くは、100年ほど前、ニューヨークで火星人襲来のフェイクニュースが発生し、人々に恐怖を与えたことがあります。また、戦前、日本でも空気がなくなるとのフェイクニュースが出回り、自転車のチューブ等を買いあさるといった事例も発生しています。ネット依存型の現在、様々な情報が飛び交う中、フェイクニュースは日常的に発生しています。私たちは、自分自身を守るだけでなく、安全安心な日常を保持するためにも、フェイクニュースに惑わされないようにしなければなりません。

 はじめに、担任から問題が出されます。

「ネットで話題になっている3つのニュースをお届けするよ。ただし、2つはフェイクニュースだよ」①動物園からライオンが逃げた。②中国封鎖でトイレットペーパーが品薄。③息どめ10秒で、コロナ検査ができる。

 「画像の有無、地名の表記等から信頼できる」との意見に対し、「画像は加工したものかも。インスタ系、その人が考えた可能性がる」との反対意見が出ます。「ニュースまとめサイト抜粋と書いてあるよ」「信用させるために書いているのでは」「友人から聞いたと書いてある。自分が責められないように」子どもたちは、真偽を確かめるための理由を探します。

 担任から答えが告げられます。①~③まで全てフェイクニュース。さらに、質問そのものもフェイクニュース。子どもたちはざわめきます。

 すかさず担任から、フェイクニュースによる被害の実際が告げられます。「動物園に電話が殺到し、通常営業ができなかった」「ライオンが怖く、地震避難ができなかった」具体的な被害発生を知り、子どもたちは被害を減らす方法を考えます。「疑う・調べる・確認する・広めない」子どもたちの発想は、確信をついていきます。

 具体的な事象と出会い、その影響を知る。その上で、解決のための意欲と気づきをもつ。この一連の過程が、情報の精査のための態度を作っていきました。

 情報が飛び交う昨今、自分にとって必要な情報を正しく選択し、それを活用する力がますます重要となります。間違っても、いかがわしいチェーンメールに加担してはいけません。知識は力。子どもたちは、次代の幸せと活躍のため、力を蓄えていきます。

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4の3授業研究「国語 ごんぎつね」

4の3授業研究「国語 ごんぎつね」

令和4年2月8日

 

 本日、表題の教材資料をもとに、4の3にて授業研究が行われました。単元名は「伝わるといいな、ぼくの思いが ごんの気持ちに寄り添って ~ごんぎつね~」言わずと知れた不朽の名作。多分私も含め、皆さんのほとんどが幼少期、新見南吉の世界観に没頭しながら学習をしたことと思います。

 ごんぎつねと農民兵十との交流を描いた作品です。いたずらがもとで、ごんぎつねに恨みを抱く兵十。つぐないとして兵十に、栗や松茸を送り続けるごんぎつね。しかし、最後は思いかなわず、火縄銃で撃たれ死んでしまう。人間と動物といった言葉の通わぬ関係を通し、コミュニケーション力の大切さを暗にうたっている感もします。

 授業場面は、夜、兵十と嘉助のあとをごんぎつねがこっそりとついていく場面です。この時のごんの気持ちを、教科書の記述をもとに想像し意見交流を図ります。「あとをつけてというところから、二人のお話を聞こうとしている」「びくっとして立ちどまりましたから、急に振り返られてびっくりした感じ」「ついていきましたから、ばれないようにゆっくり目にいったと思う」など、事前に一人読みをした内容を、発表していきます。

 担任による熱っぽい進行の中、子どもたちの意識は、「栗や松茸を届けていることをごんは気づいてほしいのか、ほしくないのか」という中心課題に迫ってきます。こうなると、子どもたちは発言がしたくてしたくてたまりません。自宅からオンラインで意見を発表する子もいます。

 教師は、話し合いを通し子どもの変容をねらいます。他の意見を聞きながら、自分の考えを振り返り、自分の考えを修正していきます。この修正された考えこそが、その子の新たな気づきや学びです。「兵十は、神様がくれると思っている。ごんは、自分が運んでいることに気づいてほしい。でも、気づかれたら何されるかわからないから、気づいてほしくないという気持ちもある」授業中番、迷いをもつ子の発言が見られました。その後、気づかれた場合のリスクを訴える子、死を恐れぬ強い気持ちを想像する子、それらの意見を聞きながら、「兵十は気づいてないから、もうもっていかなくてもいいかなあ」と考えます。

 授業終盤、心情グラフの活用が、その子の迷いをぬぐいさりました。「気づいてほしい。殺されるかもしれないけど、自分にお礼をいってほしい」その子は、はっきりとした自分なりの考えをもつことができました。

 ごんぎつねは、表現力が未発達な子どもたちの象徴のような気がしてなりません。表現力を高めることで、周囲との交友を深め共生社会を築いていく。教師の思いのたけを駆使した授業構成や実践を通し、日々子どもたちはコミュニケーション力を高めています。

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