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4の3授業研究「国語 ごんぎつね」

4の3授業研究「国語 ごんぎつね」

令和4年2月8日

 

 本日、表題の教材資料をもとに、4の3にて授業研究が行われました。単元名は「伝わるといいな、ぼくの思いが ごんの気持ちに寄り添って ~ごんぎつね~」言わずと知れた不朽の名作。多分私も含め、皆さんのほとんどが幼少期、新見南吉の世界観に没頭しながら学習をしたことと思います。

 ごんぎつねと農民兵十との交流を描いた作品です。いたずらがもとで、ごんぎつねに恨みを抱く兵十。つぐないとして兵十に、栗や松茸を送り続けるごんぎつね。しかし、最後は思いかなわず、火縄銃で撃たれ死んでしまう。人間と動物といった言葉の通わぬ関係を通し、コミュニケーション力の大切さを暗にうたっている感もします。

 授業場面は、夜、兵十と嘉助のあとをごんぎつねがこっそりとついていく場面です。この時のごんの気持ちを、教科書の記述をもとに想像し意見交流を図ります。「あとをつけてというところから、二人のお話を聞こうとしている」「びくっとして立ちどまりましたから、急に振り返られてびっくりした感じ」「ついていきましたから、ばれないようにゆっくり目にいったと思う」など、事前に一人読みをした内容を、発表していきます。

 担任による熱っぽい進行の中、子どもたちの意識は、「栗や松茸を届けていることをごんは気づいてほしいのか、ほしくないのか」という中心課題に迫ってきます。こうなると、子どもたちは発言がしたくてしたくてたまりません。自宅からオンラインで意見を発表する子もいます。

 教師は、話し合いを通し子どもの変容をねらいます。他の意見を聞きながら、自分の考えを振り返り、自分の考えを修正していきます。この修正された考えこそが、その子の新たな気づきや学びです。「兵十は、神様がくれると思っている。ごんは、自分が運んでいることに気づいてほしい。でも、気づかれたら何されるかわからないから、気づいてほしくないという気持ちもある」授業中番、迷いをもつ子の発言が見られました。その後、気づかれた場合のリスクを訴える子、死を恐れぬ強い気持ちを想像する子、それらの意見を聞きながら、「兵十は気づいてないから、もうもっていかなくてもいいかなあ」と考えます。

 授業終盤、心情グラフの活用が、その子の迷いをぬぐいさりました。「気づいてほしい。殺されるかもしれないけど、自分にお礼をいってほしい」その子は、はっきりとした自分なりの考えをもつことができました。

 ごんぎつねは、表現力が未発達な子どもたちの象徴のような気がしてなりません。表現力を高めることで、周囲との交友を深め共生社会を築いていく。教師の思いのたけを駆使した授業構成や実践を通し、日々子どもたちはコミュニケーション力を高めています。

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